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第14回 トラクションまとめ [EHL理論]

前回まででトラクションに関する話をいろいろ書きました。今回は第10回~第12回でいろいろ話した油の状態について包括的におはなし致します。

まずこれまでのおさらいですが、油というのは粘性を持っておりまして、その特徴はニュートンの粘性方程式で表されました。しかしせん断応力が大きくなってくるとこの式が成り立たなくなってきて、新たにEyringモデルを取り入れる必要がありました。さらにデボラ数という概念を紹介して、この値が大きくなると粘性だけでなく弾性の影響が無視できなくなることをおはなししました。そして低温、高圧下では油はガラス転移して弾塑性挙動を示すようになり、限界せん断応力が急激に大きくなることを述べました。これらの性質をまとめると以下のようになります。

14.jpg

もっともらしく4つ並べましたが、結局はみんな③の近似式な気がしてます。なので③を基本に考えといて、トラクションドライブを扱う時はガラス転移に注意しとけばいいんじゃないかってのが自分の考えですが、どうなんでしょうね?

そういえば上記τ0はアイリング応力です。第13回で限界せん断応力に同じ記号を使ってしまいましたがまったくの別物です。すみませんが誤解のなきよう。


今回はこれだけです。ここまででEHL理論の勉強を一旦の区切りに致します。この分野は日進月歩らしく、この場で書いたことはほんの入り口にすぎませんが、EHL理論を学ぶ上で最低限必要な知識はなんとか理解できたかと思います。ブログを立ち上げてちょうど1カ月くらいですね。連休中になんとかここまで書きあげることができてよかったです。

今後のこのブログの行方はどうなるかまだ決めてません。EHL理論について更新するかもしれないし、まったく別のことをとりとめなく書くかもしれないし、完全放置になるかもしれません。今のところはとりあえず技術や科学に関連した内容で気になったことをまったり書いていけたらいいかなあと思っております。

ではこれにて。ここまで付き合って下さった方おられましたら感謝致します。どうもありがとうございました。

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